Two cases of functional prosthesis of mandible using the osseointegrated implants
Department of Dentistry, Oral and Maxillofacial Surgery, Toyooka Hospital
吸収した下顎無歯顎症例や外傷後に歯槽部欠損を生じた症例における義歯は、粘膜負担ゆえの問題が多い。すなわち、義歯の維持力不足から、粘膜に義歯性潰瘍による疼痛が生じたり、また食事や会話時に義歯が不安定であったりする。今回我々は、下顎インプラントで機能的咬合修復した2症例を呈示した。インプラントを用いた固定性あるいは可徹性義歯は、上記不安定性を改善する最良の方法である。特に下顎義歯難症例におけるインプラントの応用は、従来の方法とはまったく異なる治療概念である。理想的な補綴物を作るためにどの部位に骨が必要で、そのために必要な顎提形成を行うといった治療方法が現在の主流となりつつある。そのためには、インプラントの術前検査として、MPR-CTを撮影することが推奨されている。このCTによって、3次元的な顎骨の評価が可能で、重要な隣接組織との関係も把握でき、結果的に術後合併症の発生を防止できる。今後、仮骨延長や自家骨移植、代用骨などによる歯槽骨増量法の応用で、顎骨形態を改善したインプラント義歯についての臨床研究が望まれている。
Patients with a resorbed edentulous mandible and an alveolar bone loss due to injury often suffer from problems with the lower denture. These problems include:insufficient retention of the lower denture, intolerance to loading by the mucosa, pain, difficulties with eating and speech, etc. We presented two cases of functional prosthesis of mandible using the osseointegrated implants.
Dental implants have been shown to provide a reliable basis for fixed and removable prostheses. This has resulted in a drastic change in the treatment concepts for management of the resorbed mandible. Reconstructive, pre-prosthetic surgery has changed from surgery aimed to provide a sufficient osseous and mucosal support for a conventional denture into surgery aimed to provide sufficient bone volume enabling implants to be placed at the most optimal positions from a prosthetic point of view.
In addition to conventional imaging methods; MPR(multi-plane reformation)-CT has become an established method for anatomic imaging of the jaws prior to dental implant placement. CT enables the three-dimensional evaluation of the bone without the overlapping of adjacent structures, as well as a precise measurement of the bone tissue available in the future implant site, contributing in this way to a significant reduction in unsuccessful treatment. CT also enables a qualitative evaluation of the bone structure together with a precise definition of the adjacent anatomical structures.
Future research includes reconstructive procedures such as distraction osteogenesis, augmentation of the mandibular ridge, and bone substitutes has to be focused on long-term, detailed follow-up clinical trials.
徹照の得られない成熟白内障では前嚢切開の時にトリパンブルーによる前嚢染色が有効である。また、経験の未熟な術者にとっても前嚢染色は術中合併症を減少させるという利点がある。今回、我々は粘弾性物質で前房内を置換し角膜内皮を保護したのち0.1%トリパンブルーにより前嚢染色をしたものと置換せずに染色したものとを比較検討した。結果、粘弾性物質で角膜内皮を保護した症例群の方が術前術後の角膜内皮細胞の減少率は低かった。
坐骨部は褥瘡の好発部位のひとつであり、治療しても再発を繰り返すことが多い。また、ポケットを伴う坐骨部の褥瘡は保存的治療に難渋することが多く、手術治療が選択されることも多い。今回我々は外科的治療では治癒できなかった坐骨部褥瘡に対して無水エタノールを用いた硬化療法を施行し良好な結果を得たのでこれを報告する。
76歳男性。多量の吐下血にて当院に救急搬送されたが、内視鏡で出血源が確認できず、輸血で対処したが死亡した。剖検にて胃噴門部に3型胃癌が認められ、直接死因は癌性出血によるショック死と考えられた。組織型は内分泌細胞癌であった。偶然、甲状腺左葉に髄様癌が発見された。胃内分泌細胞癌の発生頻度は全胃癌の0.1%、甲状腺髄様癌の発生頻度は全甲状腺癌の1.3%、二重癌の全剖検数に対する比率は7.49%との報告があり、胃内分泌細胞癌と甲状腺髄様癌の同時的二重癌は極めて稀な例であると考えられた。
Key Words:
Gastric cancer,Thyroid cancer,Double cancer,Neuroendocrine carcinoma,Medullary carcinoma
症例は51歳男性、咳をした直後に右胸部痛と呼吸困難で救急搬送された一例である。搬送される2週間前から発熱と背部〜足先へのしびれを自覚していたが風邪として加療していた。搬送後、精査にて脳膿瘍、肺膿瘍、肝膿瘍、大腸には白苔を伴う潰瘍が多数見つかった。膿瘍に対してそれぞれドレナージをし、アメーバ赤痢との診断からメトロニダゾールを投与した。その後意識レベルは悪化し、人工呼吸器下で全身管理が必要となったが、入院二ヶ月後には杖歩行にて退院された。
褥瘡形成者に使用する介護力評価を含めた記録用紙を作成し褥瘡ケアで活用した。在宅で介護者による褥瘡ケアにおいて、問題点の明確化、ケア内容の統一、スタッフ間での情報共有、家族の能力に応じた看護技術指導などの効果が得られ創の改善に繋がった。スタッフの褥瘡ケアの関心が深まり、知識、意欲の向上に繋がった。
本研究は20〜40代の卵巣がん患者の化学療法治療過程における体験を明らかにし、これから看護援助への示唆について検討する事を目的として行った。非構成的面接調査を個別に3名行い、現象学的方法論により分析した結果、12のカテゴリを抽出した。対象者は自ら意思決定し、全人的苦痛を体験しながらも能動的に対処して治療を継続していたが乗り越え方は様々であり、患者個々の体験を尊重した継続的看護支援の重要性について示唆を得た。
2004年4月、褥瘡対策委員会が設置され、入院時から全ての入院患者に対して褥瘡発生のリスクについてアセスメントを行い、褥瘡発生のリスクが高い患者については褥瘡ケアシートを作成し、院内LANを使用しながら予防・治療にあたっている。褥瘡ケアシートが導入されて数年が経過。その活動内容について報告するとともに、今後の発展・展望について述べる。
当院では褥瘡発生予測スケールとしてブレーデンスケールを元にした褥瘡形成危険度査定スコアを使用しており(項目は同様であり以下ブレーデンスケールと表現する)、危険スコアは15点以下となっている。急性期の患者では予測妥当性が低いという問題がある。しかし採点したデータを分析することで、その病棟に特有な項目に的をしぼったケア基準の作成に役立ち、ひいては褥瘡発生率の低下につながるとされている1)。集中治療室に入室している患者は、呼吸・循環動態などに全身状態が悪く褥瘡発生のリスクは高く、患者の特殊性に留意した褥瘡発生要因を把握する必要があります。そこで当病棟における集中治療室と集中治療室退室後での褥瘡発生状況を調査し、褥瘡発生要因について考察しましたので報告します。
平成15年2月の診療報酬改定に伴い外来化学療法加算・無菌製剤処理加算が許可された。当院も新病院移転に伴い、外来化学療法室が開設され、月平均180件の治療を行っている。外来化学療法の目的は、患者が平常の日常生活、社会生活を送りながら治療を継続させることを可能にし、より高い生活の質を保障する事と言える。開設から1年が経過し、外来化学療法室の看護師の関わりと今後の課題について報告する。
入院中の患者にとって、食事は大きな楽しみになっている。しかし、病気からくるさまざまな症状や化学療法・放射線治療等の副作用により、食欲不振や吐き気、口内炎、味覚異常、嚥下障害のため食事摂取量が低下し、栄養状態が低下する。個人対応により食事面の配慮が、病気治療への意欲、ひいては治療の完遂につながる。
症例は7歳、女児。フェノバルビタールの内服より約1週間後に発疹、2週間後に発熱出現、逸脱酸素上昇も認めた。発疹は全身に広がり、口腔内に小水疱を認めた。臨床経過、皮膚病理組織所見より薬剤によるStevens-JohnsonSyndromeと診断した。内服薬剤の中止、ステロイド投与にて皮疹は改善を得た。後日パッチテストにてフェノバルビタール陽性となり、今回の原因薬剤と考えられた。
症例は52歳の男性。乾性咳嗽が続き、近医にて胸部]線写真にて,両肺野にびまん性にスリガラス影を指摘され、精査目的に入院した。気管支肺胞洗浄液(BALF)所見ではマクロファージ優位の総細胞数の増加と、好酸球および好中球比率の軽度増加を認め、診断確定のためVATS肺生検を施行した。肺胞腔内へのマクロファージの集簇と肺胞壁のU型肺胞上皮細胞の増生、びまん性の肺胞壁の線維性肥厚を認め、剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia,DIP)と診断した。ステロイド治療を開始し、血液検査、画像上改善がみられた。
Key Words:
Desquamative interstitial pneumonia,Steroid therapy,Bronchoalveolar lavage,VATS lung biopsy
坪野 充彦
(1)、 金子 巖
(1)、 記井 英治
(1)、 村田 徹
(1)、 出口 靖記
(1)、 園田憲太郎
(1)、 野垣 秀和
(2)
The evaluation of 4 patients with metastatic brain cancer from breast cancer.
Michihiko Tsubono(1), MD, PhD., Iwao Kaneko(1) MD., Eiji Kii(1), MD, PhD.,Toru Murata(1), MD, PhD., Yasunori Deguchi MD(1)., Kentaro Sonoda, MD(1)., and Hidekazu Nogaki(2) MD, PhD.
Department of Surgery(1) ,and Neurosurgery(2) ,Toyooka Hospital
要旨
癌化学療法の進歩により、再発進行乳癌の治療成績が向上するにつれ、一方で乳癌脳転移症例に遭遇する機会が増加している。しかし統一された治療方法は確立されていない。当院でも過去3年間に4例の乳癌脳転移患者を経験したので因子、治療方法を考察した。脳転移までは初診時転移例1例、治療後9ヶ月〜1年10ヶ月であった。治療法は手術単独が2例、手術およびγナイフ療法を行ったものが1例、γナイフ療法単独が1例であった。一方、病理組織学的には2例がscirrhouscarcinomaで、残る2例がpapillotubular carcinomaであった。また、HER2/neuは4例とも陰性であった。いずれの症例も多臓器転移を来たしており、3例の死因はいずれも脳転移は関与していなかった。乳癌の脳転移症例にも手術を含めた積極的な治療が予後、およびQOLの改善につながると思われた。
Key Words:
Metastatic cerebral cancer,Recurrent breast cancer
悪性腫瘍切除後の下顎骨関節突起欠損に対し、
血管柄付き遊離腸骨移植にて再建を行った一例
公立豊岡病院 形成外科
徳力 俊治、 義本 裕次、 増田 鋼治、 森本 圭希
公立豊岡病院 耳鼻咽喉科
大野 覚、 市丸 和之、 三浦 誠
日赤和歌山医療センター 形成外科
奥村 慶之
要旨
症例は55歳男性、左下顎骨内に発生した悪性神経鞘腫にて左下顎枝を合併切除後、右深腸骨回旋動静脈を血管柄とする遊離腸骨移植にて関節突起を含めた下顎枝の再建を行った。患者は術後2年目に腫瘍再発にて死亡したが、術後再発するまでの経過は良好で整容的、機能的面での患者の満足度も高く、術後放射線照射においても骨融解等の合併症はみられなかった。
Key Words:
Mandibular condyle reconstruction(下顎関節突起再建),Vascularized iliac bone graft(血管柄付き遊離腸骨移植)
急性特発性硬膜下血腫の2例
公立豊岡病院 脳神経外科
荒井 篤、 森下 暁二、 相原 英夫
要旨
急性硬膜下血腫は通常、頭部外傷による脳挫傷や架橋静脈の破綻により生じる。しかし、頭部外傷のエピソードのない症例も報告されており、急性特発性硬膜下血腫として知られている。今回、我々は急性特発性硬膜下血腫と考えられる症例を2例経験したので報告する。1例は突然の頭痛を主訴に外来受診し、血腫は少量で、意識清明であり保存的に加療した。もう1例は突然の意識障害で発症し、頭部CT上血腫による重度の正中偏倚を認め、開頭術を行った。ともに頭部外傷の既往はなく、また出血の原因となる基礎疾患も認めなかったため、急性特発性硬膜下血腫のカテゴリーに入る症例と考えられた。
Key Words:
acute spontaneous subdural hematoma,cortical artery,head trauma
小児特発性小脳出血の1例
公立豊岡病院 脳神経外科
衣笠 真紀、 山本 浩隆、 森下 暁二、 相原 英夫
要旨
症例は8歳女児、突然の頭痛、嘔吐、意識障害にて発症した小脳出血の1例である。脳血管撮影を行うも、明らかな血管奇形などの出血源は認められず、緊急で後頭下開頭による血腫除去手術を施行した。術後は一過性の小脳性の無言症と思われる症状を認めたが、意識状態の回復など経過は順調であった。右小脳失調が残存するも、術後2ヶ月で発症前とほぼ同様の日常生活が可能なレベルにまで回復した。本症例は、凝固系異常や血管病変をきたす全身性疾患の存在も疑って精査するも異常所見は認めず、いわゆる特発性小脳出血と考えられた。
Key Words:
Spontaneous Cerebellar Hemorrhage Pediatrics Vascular Malformation Cerebellar Mutism
脊髄髄内に原発した悪性リンパ腫の1例
公立豊岡病院 脳神経外科
甲田 将章、 野垣 秀和、 鈴木 壽彦
公立豊岡病院 臨床病理科
安水 良和
要旨
今回われわれは、脊髄髄内原発の悪性リンパ腫を経験した。近年、中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)は増加傾向にあり、髄内腫瘍鑑別の際には悪性リンパ腫も考慮すべきである。
Key Words:
Malignant lymphoma,Spinal cord tumor,Intramedullary tumor
手術加療を行った外傷性顔面神経麻痺の3症例
公立豊岡病院 耳鼻咽喉科
市丸 和之、 三浦 誠、 大野 覚
要旨
側頭骨骨折に伴う、顔面神経麻痺の3症例を経験し、その重症度と電気生理学的検査結果に基づき手術加療を行い、比較的良好な結果が得られた。
Key Words:
facial palsy,trauma,decompression
頸部嚢胞性リンパ管腫例
公立豊岡病院 耳鼻咽喉科
大野 覚、 三浦 誠、 市丸 和之
要旨
側頸部に発生した嚢胞性リンパ管腫の1例を報告した。症例は17歳女性で側頸部の腫脹を主訴に来院した。CT、超音波検査、穿刺吸引細胞診により嚢胞性リンパ管腫と診断し摘出術を行った。術後目立った合併症は見られなかった。現在、再発を認めず経過観察中である。
Key Words:
cystic lymphangioma
即時荷重を行った上顎前歯部インプラントの1例
公立豊岡病院 歯科口腔外科
安田 真也、 堀 信介、 木下 浩二、 小西 綾、 浅井 啓太
要旨
従来、多くのインプラントシステムの推奨する方法は、インプラントフィクスチャーの埋入後、下顎の場合は3か月、上顎の場合4〜6か月の治癒期間を設ける2回法である。最近では、埋入後に早期荷重、さらには即時荷重を可能とする方法も報告され、治療期間の短縮、審美的な歯肉形態の修復などの利点が示されている。今回われわれは、インプラント埋入後即時に荷重負担させた上顎前歯部インプラントの症例を報告した。即時荷重したインプラントの予後成績は、従来の方法と比較しても予知性の高い方法と思われる。しかし、インプラント周囲歯肉の状態、補綴物の予後、審美性の維持など長期にわたる経過は不明である。従って、この方法の選択は、より慎重にしなければならない。
Key Words:
上顎前歯部インプラント、即時荷重、審美的領域
健常者におけるゆっくりとした継ぎ足歩行練習によって認められる、
足底2点識別覚の影響について(第1報)
公立豊岡病院 リハビリテーション技術科
理学療法士 大西 敏之、 谷口 勝茂、 真野喜美子、 川見 大作、 島 栄恵
要旨
健常者におけるゆっくりとした継ぎ足歩行練習による足底2点識別覚の変化について研究した。20歳から39歳までの健常者を対象として、ゆっくりとした継ぎ足歩行群(A群)とコントロール群(B群)に分類して、治療的介入前後の利き足での足底2点識別覚を測定した。結果は足底2点識別覚ではA群のみ有意差が認められ、B群では有意差が認められなかった。ゆっくりとした継ぎ足歩行練習時のフィードバック姿勢制御によって足底での体性感覚が高まった結果として2点識別覚が改善したと考察する。
Key Words:
Tandem Gait,Two-point Discrimination,Feed-Back Control
整形外科病棟における転倒事故の発生要因分析
公立豊岡病院 整形外科病棟
井上 由加
要旨
病院における事故の中でも、転倒転落事故は上位を占めている。川島1)は「適切なアセスメントをすることで、転倒を予想し、未然に防ぐことができる」と述べている。当病院では平成14年度特に多くの事例が報告されており、それらの事例から分析を行い、注意マークの表示、頻回な訪室や移動時の見守り体制の徹底、靴の使用や滑り止めつき足マットの使用など対策を講じてきた。しかしそれ以後も事故は発生している。そこで平成14年〜15年の事例に対し再度分析を行い、それらに共通する因子を明らかにしたいと考えた。また転倒転落アセスメントシートによる評価を行い、スコア上には変化がないのに転倒転落がみられた事実があることに注目し、整形領域における評価も必要ではないかと考え、アセスメントシートの分析・検討を行ったので報告する。
Key Words:
no Key Words
正常新生児の体温管理
〜出生6時間後までの体温変動調査より〜
公立豊岡病院 新生児センター
村野 寿子
共同研究者
松本 智子
要旨
出生直後の新生児は体温調整が未熟なため低体温を来たしやすく、その後の体温管理も児の成長、発達に大きく影響する。当センターにおいて入室直後の新生児の体温管理が適切であるのか、児の体温変動を調査したところ体温管理方法について示唆を得ることができた。
Key Words:
新生児 体温管理 保温方法 中性温度環境
当院における産後1ヶ月時の母乳育児状況
公立豊岡病院 4ー東病棟
岸本 恵
要旨
近年、WHOとUNICEFの共同声明が発表されて以来、国内でも「健やか親子21」において母乳育児を推進している。そこで、当院においても母乳育児を推進する上で妊娠中から退院後の乳房管理及び授乳指導を検討する必要性を感じたので、産後1日目と産後1ヶ月時に調査を行い、産後1ヶ月時の母乳率、授乳状況を明らかにすることを目的に本研究を行った。その結果、母乳意識は高いが産後1ヶ月時の母乳率は40%とほぼ全国並みであった。退院時に搾乳を併用していた褥婦の80%が混合栄養へ移行していた。母乳分泌不足感、新生児が泣くからとの理由で混合栄養になっている者が多い。混合栄養の者は疲労感、授乳の辛さを感じている者が多いという事がわかった。
Key Words:
no Key Words
災害発生時の在宅療養者への安全対策
−台風23号の水害を体験して−
公立豊岡病院 地域医療室
西村 康子、 岡 由美子、 田中 恵子、 村尾 妙子
要旨
近年日本各地において、地震、台風による被害は大きく、豊岡病院も例外ではなかった。昨年の台風23号による体験を通して、日頃の災害に対する危機意識の低さを認識させられた。今回振り返りをする中で今後の課題として、充電器・簡易式吸引器等の準備や日頃の確認点検の重要性が挙げられ、災害時を含めた緊急時の対応策を見直すことができた。
Key Words:
Home care nursing Disaster nursing care
豊岡病院における嚥下障害食の改善
公立豊岡病院 栄養技術科
高橋なつみ
要旨
現在、嚥下障害食(嚥下食)のゼリー化が注目されている。嚥下食のゼリー化を実施することにより、嚥下しやすい形態になり、さらに嚥下食適応の患者の疾病の幅が広がった。
Key Words:
Jel-ly n. Gastatory sensation
第16号(2004)
大腿骨頚部内側骨折に対するJudet-Meyers筋弁付き骨移植法
公立豊岡病院 整形外科
三原 一志、 椋棒農夫也、 太田 雅人、 西村 隆一、 冨永 亨、 森下 修、 猪坂 直義、 冨永 智大
要旨
壮年大腿骨頚部内側骨折に対し観血的骨接合術を行い、偽関節を生じJudet-Meyers筋弁付き骨移植術(以下muscle-pedicle-bone graft)によって骨癒合を得た症例を経験したので報告する。
Key Words:
Femoral neck fracture,Muscle-pedicle-bone graft (Judet-Meyers),Surgical treatment
軟部悪性腫瘍16症例の検討
公立豊岡病院 形成外科
義本 裕次、 守本 圭希、 奥村 慶之、
広島市民病院 形成外科
身原 弘哉
京都大学大学院医学研究科
池田 実香
Clinical analysis of 16 cases of soft tissue sarcomas
Yuji Yoshimoto, Tamaki Morimoto and Yoshiyuki Okumura
Department of Plastic Surgery, Toyooka Hospital
Hiroya Mihara
Department of Plastic Surgery, Hiroshima City Hospital
Mika Ikeda
Graduate School of Medicine, Kyoto University
要旨
皮膚軟部組織腫瘍において間葉系悪性腫瘍は上皮由来のものに較べてまれであり、治療指針も明確でないものも多い。1995年10月から2002年8月までの6年10カ月間に当科で初発軟部肉腫を治療した16症例を臨床的に解析した。内訳は平滑筋肉腫5例、隆起性皮膚線維肉腫4例、脂肪肉腫2例、血管肉腫1例、神経線維肉腫1例、悪性線維性組織球腫1例、若年性線維肉腫1例、悪性血管周皮腫1例であった。軟部肉腫は一般に予後不良とされているものが多いが、近年病理学的診断精度が向上し治療成績に寄与しうると考えられた。また放射線治療や化学療法が有効であった症例も認められた。
Abstract
Sixteen cases of malignant soft tissue tumors,which were treated in our institution from 1995 to 2002,were presented. The histopathological findings were five leiomyosarcomas, four dermatofibrosorcoma protuberans,two liposarcomas, one angiosarcoma, one neurofibrosarcoma, one malignant fibrous histiocytoma,one juvenile fibrosarcoma and one malignant hemangicpericytoma.
Radiotherpy and/or chemotherapy (MAID) might be effective for some cases. However many soft tissue sarcomas are considered that the prognoses are relatively poor and the treatments have not made clear yet, we consider that the improvement of the prognosis can be expected, as the techniques of histopathological diagnosis are progressing.
Key Words:
Soft tissue sarcoma, MAID therapy, Radiotherapy
プランマー病の一例
公立豊岡病院 耳鼻咽喉科
市丸 和之、 三浦 誠、 大野 覚
要旨
プランマー病の一例を経験した。症例は23歳女性、前頸部腫瘤を自覚し来院した。軽度の甲状腺機能亢進を認め、99mTcシンチにて甲状腺腫瘤に一致しhot noduleを認めたためプランマー病と診断した。手術加療を行い、甲状腺機能も正常化し、軽快した。
Key Words:
Plummer's disease, hyperthyroidism, autonomous functioning thyroid nodule(AFTN)
広範な上顎骨欠損を伴った鼻前庭嚢胞の1例
公立豊岡病院 耳鼻咽喉科
大野 覚、 三浦 誠、 市丸 和之
公立豊岡病院 歯科・口腔外科
堀 信介
要旨
鼻前庭に発生した類上皮腫の1例を報告した。症例は68歳、女性。鼻前庭の腫脹を主訴に来院した。CT,パノラマX線により上顎骨欠損を伴う鼻前庭の嚢胞性疾患と診断し、摘出術を行った。摘出標本は病理組織学的に類上皮腫と診断された。現在、再発なく、経過観察中である。
Key Words:
nasoalveolar cyst, epidermoid cyst
Eccrine Syringofibroadenomaより発症した汗管癌の1例
公立豊岡病院 皮膚科
門田 匡史、 山本 洋介、 西村 陽一
公立豊岡病院 病理部
保坂 直樹
要旨
Eccrine Syringofibroadenoma (ESFA)は、組織学的に表皮組織の網目状吻合構造とエクリン汗管様管腔を特徴とするまれな皮膚良性腫瘍である。われわれはESFAがある種の腺癌と合併したと考えられる1例を経験した。この腫瘍は周囲に紅斑を有し、異型細胞からなるPaget現象を呈していた。ESFAは炎症性あるいは腫瘍性皮膚疾患から反応性に発生することが知られており、自験例は乳房外Paget病のような表皮内癌に伴って出現した可能性がある。よって自験例の鑑別診断としては、反応性ESFAを伴う乳房外Paget病と、ESFAの悪性化の2通りが考えられたが、臨床所見及び病理学的所見よりESFAの悪性化が最も疑われた。
Key Words:
Eccrine Syringofibroadenoma, Adenocarcinoma, Eccrine Syringofibroadenocarcinoma.汗管癌
痴呆を有する超高齢者の下顎歯肉癌に放射線療法が奏効した1例
公立豊岡病院 歯科口腔外科
山田 理浩、 堀 信介、 前澤 仁志、 木下 浩二、 安田 真也
丹後ふるさと病院 歯科口腔外科
金下 真士
京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座口腔外科学分野
西田 光男
要旨
超高齢者の口腔癌において治療方針の決定には苦慮することが多い。今回われわれは、痴呆を有する91歳男性の下顎歯肉癌(T3N2bM0)において放射線療法を行い、腫瘍の縮小、QOLの改善を認めた一例を経験した。高齢者の社会的背景は多種多様であり、患者の全身状態、心理面、社会面を含めて治療方針の決定をすることが大切である。
Key Words:
口腔癌(Oral cancer), 放射線療法(Radiation therapy), 超高齢者(elderly patients)
上顎洞内骨腫の1例
公立豊岡病院 歯科口腔外科
木下 浩二、 安田 真也、 堀 信介、 山田 理浩
京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座口腔外科学分野
西田 光男
要旨
今回われわれは、上顎洞に発生した骨腫の症例を報告する。患者は21歳男性で、右側頬部の鈍痛を主訴にて来科した。CT検査にて右側上顎洞内にhigh densityを示す不透過像を認めた。臨床診断を骨腫とし、全身麻酔下にて摘出した。病理組織学的診断は骨腫であった。術後、6カ月が経過した現在、再発もなく経過良好である。
Key Words:
Osteoma, Maxillary sinus,
胎児母体間輸血症候群の新生児例
公立豊岡病院 小児科
上田 雅章、 大平 文人、 吉村 規子、 奥野美佐子、 田口 和裕、 港 敏則、 吉田 真策
要旨
胎児母体間輸血症候群(Feto-maternal transfusion syndrome)は、胎児の血液が経胎盤性に母体循環に流入するために起こる様々な病態の総称である。流入血液量が大量の場合には、胎児死亡や胎児水腫を引き起こす事もあるため、注意が必要である。微量の胎児母体間輸血は全妊娠のほぼ100%におこっていると言われており、30ml以上の大量の流入は0.2〜1.0%程度に起こっているとする報告がある。原因としては、前置胎盤、胎盤血管腫、絨毛癌等の胎盤の異常、外傷、帝王切開、羊水・臍帯穿刺、外回転術などの産科的手術などが考えられているが、原因不明が約80%を占めるとされている。今回我々は、出血性貧血の一種である、胎児母体間輸血症候群により生後早期に重度の貧血および心不全を呈した新生児例を経験したので報告する。
Key Words:
Feto-maternal transfusion syndrome, Anemia Macrotransfusion, α-fetoprotein
各社MRI装置の基本性能についての基礎的検討
公立豊岡病院 放射線科
安保 紀秀、 安田 祥吾、 田村 和豊、 西浦 義郎
要旨
今回新型MRI画像診断装置を購入するに当たり、各社同等の性能を発揮するであろう機種について当院なりに比較検討することとした。しかし当院には適当と思われるファントムがないため、独自の方法で比較することになった。その結果、各パーツそれぞれの特性を見ることは困難であったが、大まかではあるがシステムの特性の一端を見ることができた。今回の検討は方法として適当でなかったかもしれないが、機種の選考上有用であったと考える。また我々が提供する画像について再度見つめなおす良いきっかけになったので、実際に納入された機種についてより深く調査するきっかけにもなったと考える。
Key Words:
FWHM(Full Width at Half Maximum), 傾斜磁場、規格ファントム、ROI(Region Of Interest)
公立豊岡病院における乳腺穿刺吸引細胞診の成績
公立豊岡病院 臨床検査科
大垣日登美、 小川 勝、 松本 敏夫、 長岡 克也
公立豊岡病院 臨床病理科
安水 良知
要旨
1997年から2003年までの7年間に当院で行った乳腺穿刺吸引細胞診は1090件で、同時期に組織診断された乳癌
症例は236例であった。細胞診と対比可能な217例の分析結果は、陽性186例、疑陽性6例、陰性14例、判定不能11例であった。陰性又は判定不能の25例の組織型は、硬癌が14例と最も多く、次いで乳頭腺管癌、充実腺管癌の順であった。硬癌は、採取される細胞数が少なく、採取された細胞も小型で比較的異型度が低いために、診断が困難な症例が多いと考えられる。
Key Words:
Breast, Aspiration cytology
当院看護師の看護研究に関する実態調査
−支援体制の検討−
公立豊岡病院 看護研究委員会
松下紀美子、 松本 智子、 鎌田たまみ、 藤原恵津子、 田中美代子、 森田 須美、 尾崎富美代、 稲葉 京子、 山田みゆき
要旨
平成9年に研究委員会が発足し、学習会の開催や計画書から論文作成まで支援を行ってきた。しかし、研究意欲の高まりや、積極的な取り組みに導いているとはいいがたい。そこで、研究意欲や知識、取り組み経験やどのような点に困難を感じているかなど、研究に関する実態調査を当院看護師328名に行ない研究委員会の支援体制を検討した。結果、研究に取り組む機会は病棟研究が主で、半数以上が文献検索を除くすべての研究過程において知識不足を感じていた。また、研究に関して積極的な群は、研究を意義あるものとして捉え、研究終了後に充実感・満足感・達成感を感じており、発表経験や中心的役割を担っていた。今後、臨床での研究を活性化し、その目的を達成するためには、研究者がプラスの気持ちが持てることが重要なポイントになると考えた。
Key Words:
院内看護研究、中心的役割、支援体制
アロマセラピーによる産婦へのリラックス効果
公立豊岡病院 看護部 産婦人科病棟
馬西 恵、 河越 栄、 岡田 知子、 足立 孝子、
要旨
アロマセラピーは産科的分野でも注目を受けており、分娩時のリラックス効果についても報告され始めている。今回アロマセラピー(吸入)を導入し、産婦の身体的・精神的リラックス効果をバイタルサイン、皮膚表面温度、対象へのアンケート結果から検証した。その結果、身体的リラックス効果を明かにすることは出来なかったが、精神的リラックス効果を得ることが出来た。
Key Words:
Aroma therapy, delivery
脳血管障害患者の日常生活動作評価
Barthel indexによる比較
公立豊岡病院 リハビリテーション科
真野喜美子
要旨
脳血管障害患者において、ADLの自立度が家庭復帰の主要な条件ではあるが、どの程度の自立度が必要であるのかを検証した。対象は、脳血管障害患者149例(男性87例 女性62例)であり、PT開始時と終了時のADLをBarthel index(以下BIと略す)を用いて評価した。PT終了時BI65点以上を自立群、65点未満を介助群とした。さらにPT開始時BIスコアーに基づき、0〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100の5グループにわけ、終了時BIスコアーとの関連性を検討した。最終BIスコアー65点以上の場合の自宅転帰率が高かった。PT開始時BIスコアーが20点以下の場合、入院日数、PT日数が長期化する傾向がみられ、また意識障害、痴呆、高次脳機能障害、感覚障害を合併した場合はADL介助レベルにとどまる傾向が、より高く認められた。今後介助群で93%を占めた0〜20のグループにおいて、定期的なADL評価を行っていくことで、より的確なリハビリテーションアプローチの仕方、プログラムの選択等、再検討できるのではないかと考えられた。
Key Words:
Stroke, Hemiplegia, Barthel index, Activities of daily living
食事療法によって血糖コントロールが改善した一例
公立豊岡病院 臨床栄養科
柿坂 麻美
要旨
過食が原因で血糖値が上昇した糖尿病患者に、5ヶ月間継続して栄養指導を行った。食生活を1つずつ改善しながら食事療法を身に付けることで、日々の食事摂取量が安定し、血糖コントロールが改善した。
Key Words:
Dietetic therapy, Blood glucose level, List of exchange
在宅療養者の褥瘡発生が減少した現状報告
−介護サービス利用と介護・看護の実態を介護保険導入の前後で比較して−
公立豊岡病院 地域医療部 訪問看護室
岡 由美子、 田中 恵子、 西村 康子、 谷口久美子、 村尾 妙子
要旨
近年、在宅療養者の褥瘡形成者が減少している現実をH10年〜15年の介護サービスの利用状況や体圧分散マットの使用状況のデーターの比較と、介護保険前後の症例における介護の実態と看護師の関わりの調査により、その要因を明らかにした。支援体制の強化、介護用具の進歩、情報提供の促進により社会資源が有効に活用されるようになり、褥瘡予防への知識も深まり家族への個別に合わせた支援ができてきた現状が示された。
Key Words:
Home care nursing, Prevention of pressure sore
当科における看護師の疲労調査
公立豊岡病院 看護部
中村 恵、 谷本 直子、 栃谷 順子、 後藤 香織
要旨
看護師の疲労は単に本人の問題に留まらず、サービスを受ける患者にも多大な影響を及ぼし、看護の質そのものを左右するといっても過言ではない。そのために日々の業務の中でどのようなことが健康に影響を及ぼすかを知るため「自覚症状しらべ」のアンケート調査と下肢周囲測定を実施し、さまざまな背景因子と照らし合わせて検討した。その結果、サーカディアンリズムとの摩擦からくる身体、精神機能の不調を生じやすい夜勤がいかに疲労に影響を及ぼすかを再認識したので報告する。
Key Words:
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